住宅FPラボ|家とお金の相談窓口

あるご家庭のライフプランニング(改善前)

35歳夫婦、住宅ローン4,000万円の家計


ここではライフプランにより老後までのお金がどう変化するか見ていきます。
主な前提は下記のとおり。
・夫婦 ともに35歳、会社員。想定寿命は、夫82歳、妻88歳(厚生労働省統計より)
・年収 夫:500万円、退職時700万円、退職金1,000万円
    妻:350万円、退職時450万円、退職金500万円
・子ども 長男:5歳、高校は公立、大学は私立理系
     長女:2歳、高校は私立、大学は私立文系
・車買替 10年ごと買換え、300万円
・マンション購入=4,000万円=住宅ローン借入額(諸費用は自己資金)、借入期間35年
・貯蓄残高 当初0円でシミュレーション開始

↓全期間通してのお金の流れの図です。
[住宅ローン残高(黄色)、貯蓄残高(緑色)、年間収支(赤色)]

収支が赤字になる年がありますが、貯蓄が無くなることはないようです。



では具体的な数値で見てみます。

【↓住宅購入直後】(単位:万円)


年間収支(1年間の収入と支出の差額)を見ると、毎年100万円程度プラスになっており、これが貯蓄になります。
父さん41歳の年に車を買ったため、この年は収支がマイナス(201万円)ですが、おおむね順調な家計となっています。
(住宅ローン金利は変動0.5%でスタート。家の月額費用にはマンション管理費・修繕積立金を計上しています。)




【↓大学に進学後】

長男さんの大学進学で年間収支がマイナス(赤字)になり、長女さんの大学卒業までは家計が苦しい時期が続きます。この間車も買い替えていますので(父さん51歳)、資産(金融)が大きく減っていますが、マイナスにならずにいます。
(学費は文部科学省の統計を参考)




【↓退職前後】

ご夫婦2人が退職金を受給し、資産(金融)がピークになります。
退職後は年金受給となり収入が大きくダウンする一方、住宅ローン返済が続いているため(70歳まで)年間収支の大きなマイナスが続きます。




【想定寿命時の貯蓄残高】

父さんが先に亡くなり(82歳)、世帯収入が減少しています。
さらにマンションの管理費・修繕積立金が負担となり、年間収支はマイナスが続きます。
母さんの想定寿命時(88歳)の貯蓄残高は1,300万円ほどになっています。
長生きした場合などを考慮すると、必ずしも安心できないかもしれません。

老人ホームへ入居したら・・

人生にはお金がかかることが多いです。
上記の事例で、ライフイベントにやや変更があった場合を想定してみます。

ご夫婦が80歳から老人ホームへ入居した場合を想定してみます。
(前提)
マンションを2,000万円で売却。
老人ホームは「住宅型有料老人ホーム」。(仙台市の費用相場を参考)








老人ホームは一人あたり毎月17万円と高額です。年金収入以上の支出となり、毎年の金融資産減少額が大きく、奥様の想定寿命直前の残高にかなり心配があります。
長生きすることを考えると、大きな不安となります。

大学が県外、仕送りが発生したら・・

こちらはお子様の大学進学が県外だった場合を想定してみます。
仕送りが必要となるご家庭がほとんどと思いますが、平均で年間90~100万円となっています。(各機関の統計の仕方で相違有)





 





お子様二人とも県外へ進学、学費に加え大きな支出となり、年間収支マイナスが数年間続いています。
車の買換え時期と重なっていることもあり、貯蓄を取り崩していった結果、両親52歳のときに金融資産がマイナス(債務超過)となってしまい、生活が破綻しています。
これを回避するため、車の買控えはもちろん、教育ローン・奨学金の活用も検討する必要があります。

またこの支出も老後資金に影響しており、この計画の通りですと想定寿命時の預貯金がかなり小さくなっています。

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